リモートワークにおけるプランナーの立ち回り

こんにちは。
株式会社アドグローブ ゲーム事業本部ディレクターの北村と申します。
今回はリモートワークでのプランナー実務経験を5年ほどした上での、プランナー立ち回りについてご紹介させていただければと思います。


はじめに

さて、今回私はリモートワーク環境下でのプランナーの立ち回りについて書こうと思うのですが、そもそもプランナーの立ち回りについてまずは認識を合わせておければと思います。

プランナーの立ち回りとは?

プランナーの主な業務については、プロジェクトの立ち上げからリリースまで(ソシャゲなど、運用がある場合については今回は割愛いたします)の期間中、主に四つの段階に分けられるかと思います。

【第1段階】
 企画書作成
【第2段階】
 仕様書作成
 素材リスト作成
【第3段階】
 スクリプト制作
 ゲームデータ制作
 パラメータ調整
 クオリティーチェック
 実装チェック
【最終段階】
 デバッグ
 リリースチェック
【(リリース後)】
 振り返り


プロジェクトにおいてプランナー業務の一番需要な時期とは

プランナーの仕事で一番需要な時期は、この「プロジェクトの進行」に置いて第2段階の「仕様書作成・素材リスト作成」だと私は考えます。
この段階でどこまで完成形を見越して資料化できるかどうかは、プランナーの力量にかかっているといっても過言ではありません。
仕様の完成度はその後のエンジニアデザイナの作業見積もりや修正の手戻り等、大きく工数に関わってきます。また素材リストの作成時に、記述内容の間違いや項目そのものに漏れがあった場合など、工数の見積に大きく影響しますのでミスができない時期となります。

まだ世の中にない製品を「想像だけでなるべく細かく書く」仕様作成という作業は、十分な知識そして経験を必要とするものです。
少なくとも大なり小なり1~2本のプロジェクトを、開発開始から終了まで通して経験したプランナーではないと、なかなか任せられない業務だと思います。

とはいえ

しかしながらこの重要な時期をプランナーの力量だけで乗り越えろ!というのはあまりに負担も責任も大きく危険です。
なので、ディレクター、リードプランナー、リードエンジニア、リードデザイナの皆さんにしっかりチェックをしてもらうのが大事ですね。
こうした点が、「プランナーにはコミュニケーション能力が大事」とよく言われる理由だと思います。

改めて「リモートワークにおけるプランナーの立ち回り」を考える

さて、プランナー業務の各段階と第2段階の重要性を共有したところで、本題の「リモートワークにおけるプランナーの立ち回り」というテーマに立ち戻りましょう。
この第2段階「仕様書及び素材リスト制作」の際、リモートワークだからこそ気を付けるべきことがいくつかあると考えます。
(なお、このリモートワークについてのお話はチャットツールを利用していることを前提にしております。)

リモートワークにおけるプランナーの立ち回りで重要なポイント

1. 報告を「仕様アップしました」だけで終わらせない
2. 煮詰まらないように報告・相談する
3. 実装状況をヒヤリングする

いかがでしょうか?
これってリモートワークでも出社状態でも、変わらず重要なことですよね。
確かにその通りではあるのですが、リモートワーク下ではおろそかになりがち、あるいは対応が薄くなりがちなポイントなのです。
それぞれについてリモートワーク下での状況と解決手段を書いていきます。

1.報告を「仕様アップしました」だけで終わらせない

これはよくありがちなことだと思うのですが、チャットツールに「仕様書を作成しました。ご確認ください。」の一文で済ませることはありませんか?
もし出社状況で仕事をしていた場合、これだけで報告を終わらせることは無いはずです。
いかに完璧な仕様書でも(完璧な仕様書なんて無い、ともよく言いますがここでは割愛)、書き手が説明することで初めて理解が得られるものです。
きちんと読み合わせの時間を取って、齟齬が無いように十分に説明する場を設けましょう。

2.煮詰まらないように報告・相談する

これもよくあるケースです。
悩んで時間がかかるのはわかります。
しかし、この状態がもし出社状況下であれば、あなたの悩んだ様子を見たリードプランナーやディレクターがひと声かけてくれることもあるのではないでしょうか。
(やさしい声かけに甘えないように気を付ける必要はありますが。)
残念ながらリモートワーク下ではこのやさしさを発揮するのが難しいです。
なので、リアル以上に自分の状況を報告し、煮詰まりそうなら早めに相談するという自発的なアクションが必要になります。
もし順調に進んでいるのだとしても、順調さをしっかり報告しましょう。
朝会などで毎日進捗を確認するプロジェクトもあると思いますが、何か問題があった場合に最大1日のラグが発生するのは良くありません。
もっとこまめにアクションすることで、ラグを極力なくし効率よく作業を進められると良いですね。

3.実装状況をヒヤリングする

これは上の2つとは逆に、自分の作業ではなく実装担当者の作業条項についての確認です。
自分自身がいかに報告や連絡に気を付けたとしても、それだけで進行がスムーズになるわけではありません。
実装担当者があなたの仕様を見て悩んでいないか、または想定進行が前後していないかを適度に把握するアクションが大事です。
2で書いた朝会などでの進捗確認ペースだと、1日や半日の遅延が発生しがちで、これが数回蓄積するとあれよという間に1週間遅れといった感じに膨れ上がります。
毎日報告会があるからと待つのではなく、実装完了時間近くになったら確認のアクションを起こして状況を把握しましょう。
これも出社状況下であれば、実装担当者のところへ行って細かく状況を聞くのも問題なくできていたはずですよね。

リモートワークはプランナーにとって厳しい環境なのか?

このように書いてしまうと、「やっぱりリモートじゃなく、現場に集まって開発するべきだよな」という声が強まりそうです。
実際、私自身も初期はそう思っていたものでした。
しかし実際にリモートワークの経験が積まれていくと、この環境ならではのメリットを活用すれば問題なく制作をスムーズに進められることがわかってきました。
以下のようなメリットがありますので、しっかり利用してより良いプランナー業務を進めていただければ幸いです。

プランナーにとってのリモートワークのメリット

1. 会議室を取る必要がない
2. みんなのスケジュールを把握しやすい
3. 相手の状況に合わせなくてよい

見出し文だけだと語弊があるかとおもいますので、ひとつひとつ説明を加えさせていただければと思います。

1.会議室を取る必要がない

これはリモートワークならではの、オンラインミーティングのメリットですね。
リアルで会議をする場合、出席者の予定プラス会議室の空きを押さえる必要がありました。
会議室って時期によって空きが全然なかったり、みんなが会議する時間帯が被って希望の時間に取りづらかったりしませんでしたか?
それがリモートワークの場合は会議室を必要としないので、人のスケジュールさえ押さえればミーティングの開催が可能なわけです。
上記の仕様読み合わせなど、積極的にオンラインミーティングで実施するようにすれば、リアルで会議するよりもロスが少なくなるはずです。
(その理由で、私はオンラインミーティングは出社状況下であっても利用を促進したい派です。)
これにより、「仕様をアップしました」&「読み合わせミーティングを入れました」の報告ができるようになるわけです。

2.みんなのスケジュールを把握しやすい

出社状況下において、「実装担当者とちょっと話をしながら確認したい」という場合、席まで行って話しかけたりしますよね。
そうした時に、「席まで行ったけどいない」「別会議に参加中だった」「なにやら忙しそう」という場合がありませんでしたか?
席が近ければこうした事態も発生しないのですが、大きなプロジェクトになればなるほど起きがちなものです。
しかしリモートワークの場合には、チームメンバーのスケジュールはカレンダーツールに記載されているはず。
特に会議の予定は上記のオンラインミーティングの仕組みがあるが故に、いやでも明確にならざるを得ません。
リモートワーク下では、相手のスケジュールを把握することで「実装状況を把握する」をよりスムーズに解決できるわけですね。

3.相手の状況に合わせなくてよい

最後にこちらの件です。
ここでいう相手の状況とは、「相手がいそがしい」「不在である」時を意味します。
出社状況下で仕様の事前チェックをリードプランナーやディレクターにお願いする場合、相手の席まで行ったうえで忙しいかどうか様子を見つつ声掛けをしていたかと思います。
・・・先輩や上司の手を煩わせるのはちょっと気が引けませんか?
また、はじめてチームを組むメンバーであれば話しかけにくさがあるかと思います。
そうしたときにリモートワーク下であれば、チャットツールに「メンション付きで置いておく」(あるいはタスク化して置く)ことで気軽にお願いができるメリットがあるのです。
表現はちょっと悪いですが「一方的に」相手にボールを渡すことができるのがチャットツールの強み。
クライアントとのやり取りでこの手段を使いすぎるとトラブルになりがちですが、チーム内ならばしっかりコミュニケーションをとることで有効に活用できるはず。
ボールを渡した後、ボールの現状を確認することは忘れないようにしましょう。

終わりに

さて、今回は「リモートワークにおけるプランナーの立ち回り」について書き連ねてみたわけですが、結局プランナー業務の内容に大きな変化があるわけではなく、主にコミュニケーションの取り方をリモート状況に合わせることが大事であるということをお伝えさせていただきました。
環境をしっかり利用できれば、リアルよりも確実な意思伝達と開発進行が実現できます。
相手の様子が見えないからこそ、先んじて動くことを意識してプランナー業務を遂行していきましょう!


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