
こんにちは。
株式会社アドグローブ ソリューション事業部の飯田です。
私は現在、バックエンドのプログラム開発を主に担当しています。
これまでの業務では、AIを使ってプログラムを作成する機会はほとんどありませんでした。
しかし、今回Googleから新しくコマンドラインインターフェースが公開されたことをきっかけに、この機会にAIを使用したコーディングを試してみようと思い「Gemini CLI」に触ってみました。
実際に「Gemini CLI」を利用し、設定からプログラム作成まで一通り体験してみたので、その内容をご紹介します。
■Gemini CLIの概要
Gemini CLIはGoogleが開発したオープンソースのAIエージェントです。
Googleの大規模言語モデルであるGeminiをターミナル上で直接利用することができます。
Gemini 2.5 Proと100万トークンのコンテキストを利用して無料でコード生成やデバッグ、ファイル操作やシェルコマンド実行などができます。
100万トークンというのがどのくらいかわかりづらいですが、一度に処理できる最大値として日本語にして150万~200万文字、英語だと75万単語相当のテキストを扱うことができるようです。
Gemini Code Assistと連携することでVSCodeなどのIDEで使用することができるようになります。
またGoogleが提供するGoogle Cloudとの連携も強力で、Google Cloudを利用した認証の設定やプロジェクトの管理などができます。
■Gemini CLIの利用方法
Gemini CLIの利用方法は大きく分けて3つあります。
ここではそれぞれの利用設定について簡単に記載します。
1-npmでインストールする
Gemini CLIはNode.jsを使用して開発されているため、ローカルで実行する場合はnpmでインストールする方法が推奨されるようです。
グローバルインストールすることで、どのディレクトリからでもgeminiコマンドを実行できます。
以下のコマンドでインストールすることができます。
npm install -g @google/gemini-cli
インストールせずに一時的に使用する場合はnpxを使用します。
npx @google/gemini-cli
2-Git Cloneでソースコードからビルドする
GitのリポジトリをクローンすることでGemini CLIを使用することも可能です。
公式リリース前の機能を使用したり、自分で機能をカスタマイズするなど、拡張性の高い環境で作業する場合はこちらを使用します。
git clone https://github.com/google-gemini/gemini-cli.git cd gemini-cli npm install npm run build
3-Cloud Shellで実行
Cloud ShellはGoogle Cloudのコンソールからブラウザ上で直接アクセスできる仮想マシン環境です。
この環境には、Gemini CLIがデフォルトでインストールされています。そのため、セットアップ等せずにGemini CLIを利用することができます。
どの利用方法でもコマンド:geminiでインタラクティブモードを起動するとGeminiと会話できるようになります。
■Gemini CLIでのコード作成
ローカル環境にGemini CLIをインストールしてコードを生成します。私はnpmでインストールして使用しました。
VSCodeでgeminiコマンドを初回実行する際、Googleにログインして認証を行う必要がありました。
npmでインストール後、geminiコマンドを実行します。

geminiコマンドを実行すると上のような対話画面が表示されました。この画面でプロンプトを指定してプログラムを作成していきます。
実際に試してみる
せっかくなので私が普段Excelでつけている家計簿をブラウザで登録できるようコード作成を指示してみます。
まず表示する画面の構成を定義して指示してみました。

指示した内容の要点を確認してから生成に入ってくれます。要件の確認がしやすく、生成後のイメージをしやすいのがありがたいです。
ここで新たに指示をしたり要件の修正を依頼すると、再度生成の案を出してくれます。
必要なライブラリやパッケージなどをインストールし、指示されたプログラムの作成に入ります。
パッケージのインストールでエラーが起こりましたが、AIが自分で解決してくれました。
生成を指示してから1、2分でプログラム作成が完了し、ローカル環境で画面が確認できるようになりました。
スタイル指定をしていないためシンプルですが、機能としては指示通りに作成されています。
環境構築などで少し時間を取られましたが、ここまでの作業がおおよそ2時間ほどで終わりました。自分で作成するよりもかなり早いです。
この後スタイルを調整したりレシート画像から金額などを読み取る機能を追加しましたが、全工程合わせても1日かかりませんでした。
何度か追加機能の作成を行ったところ、画面表示にエラーが発生してしまいました。
AIにエラーの原因特定と修正を指示するだけでエラーが解消されるのが簡単でありがたいですね。
しかし、エラーの修正前後で指示した機能の一部が消えるデグレ*1が発生しており、画面からボタンが消えたり入力フォームがなくなったりしていました。
「この機能が消えたので戻して」といったあいまいな指示でも意図をくみ取ってくれるためデグレの修正は容易でしたが、テストや確認はしっかりする必要がありそうです。
機能追加や修正時にはGitのように差分を出力してくれます。うまく活用すればデグレも防ぎやすくなると思います。

■Gemini CLIに触れた感想
ローカル環境へのインストールや実際のプログラム作成なども含めて、とても手軽で便利でした。
今回はお試しで触っただけですが、実際に中~大規模の開発で使う場合にはかなり工数を短縮できるのではないかと思います。
ただ、エラーやデグレが全く起きないわけではないのでテストや確認は人の手できちんと行うべきですね。
私はnpmでローカル環境で使用しましたが、Cloud Shellを使用すれば事前準備の必要もなく試せます。
作成したプログラムをWebインターフェースからダウンロードすることも可能なので、使用するハードルはかなり低いと思います。
Googleアカウントさえあれば無料で使用できるため、個人で作業する分には積極的に取り入れたいツールではないでしょうか。
■終わりに
Gemini CLIは一度に多くのコンテキストを処理できるうえ、無料で使用できるためコーディングにおいて非常に有用なツールだと感じました。
コードの実装に限らず、いろいろな面でタスクの効率化に貢献してくれると思います。
AIを利用したコーディングは初めてでしたが、イメージ通りとても便利だなというのが感想です。
現状では会社の規則やリテラシー的な問題がありフル活用できる機会は少ないと思いますが、今回触れてみて良い経験になったと思います。
今回は個人でシンプルな機能を作成したため問題になりませんでしたが、複数人でAIを用いたコード作成をする場合は認識のずれやシステムの理解不足を防ぐため、より一層要件定義などの上流工程が重要になるのではないかと感じました。
「Gemini CLI」は無料で誰でも使用できるので、ぜひ試してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*1:機能が後退する不具合