こんにちは、株式会社アドグローブ ゲーム事業部のデザイナー武石です。
今回は弊社で開発した「ENDER LILIES: Quietus of the Knights」にて使用したSpineという2Dアニメーション制作ツールについて執筆していきたいと思います。
■Spineについて
Spineとは、2Dのアニメーションに特化したツールです。
使い方はかなり幅広く、公式サイトでも入門的なところから実践応用的なことまでチュートリアルの動画や記事を公開しています。さまざまな2DアニメーションツールがあるなかでSpineを使用するメリットとして以下のようなことが挙げられます。
- 直感的に操作ができる操作性
- ゲーム開発するにあたってUnityなどのゲームエンジンとの相性の良さ
- 公式サイトなどの資料の豊富さ
今回のブログでは詳細の説明は割愛しますが、以下の記事にてSpineでどんなことができるのか、どのような技術があるのか多く載っているので興味があればぜひ読んでみてください。
■ENDER LILIESにおいてのアニメーション

体のひねり、武器の重量感、表情や手先の細かい所作でキャラの感情は大きく表現されるため、ゲーム内でキャラクターをいかに魅力的に動かしプレイヤーに対しどんなアニメーションでアプローチするかに重きをおいて制作しました。
これらのこだわりをSpine内の豊富なツールが可能にしてくれていました。
一部自分が多用した技術や、こだわった部分など実例を入れながら説明します。
■モーション作成のこだわりポイント
個人的にモーションを付けていく時に常に意識していたのは『肉感』です。
担当した敵キャラクターがグロテスクな見た目が多かったというのもあったので、少しチャーミングな動きなどの”遊び心”をモーションの中にも入れ込みたいと思っていました。
ただしこれを一つひとつのモーションに肉感部分を手動で作りこむのは2Dのテクスチャなのでメッシュの頂点を全て触る必要があり、かなり時間がかかってしまいます。
そこで自分が気に入って使用していた機能がトランスフォーム・コンストレイントです。
トランスフォーム・コンストレイントとはざっくり説明すると、設定元のボーンの回転やトランスフォームなどに任意の数値分動きを連動させることができる機能です。
公式から解説動画も出ておりますので詳しくはこちらをご参照ください。
連動させたボーンに合わせてメッシュにウェイトを細かく設定することで立体的な動きを表現することができるため、顔周りをメインに使用しています。
立体感を付ける上でおおよその目安になるため、細かく手動で編集する手間も省け慣れるとかなりの時間短縮になります。この短縮した時間を活用し、”遊び心”の作りこみに充てることができました。
※この機能だけで完璧に奥行きを表現しきれるわけではないので、大きく動かす場合は一部手動でメッシュ変形する必要があります

■まとめ
今回は2Dの素材を使い立体的なアニメーションをつける機能について主に説明しました。
これからもアドグローブがより良いゲームを製作していくために、Spineに限らずゲーム開発に関わるツールの知見をみなさまにお伝えすることができれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。