こんにちは。
株式会社アドグローブ ゲーム事業部エンジニアの山崎です。
本記事では、社内で定期的に開催しているUnreal Engine勉強会で実施した、ゲームコンテストについてご紹介します。
はじめに
勉強会では、プロジェクトでの開発事例の紹介や新しい技術の共有が多いのですが今回は趣旨を変えてゲームコンテストを開催しました。Unreal Engineを学習するという目的を達成するために
まずはUnreal Engineに触れて作品を作ってみるということが大事だと思っています。
ただし、目標となるゴールがないまま作品を作ってもモチベーションが続かないものです。
目標となるゴールを設定するために、今回コンテストを企画しました。
作品募集
約1ヶ月前にコンテストの作品募集を開始しました。今回の募集要項は以下になります。
テーマ | ブロック崩し |
要件 | Unreal Engine5を使用すること |
ボリューム | 2~3日で作れるもの |
評価基準 | ゲームのおもしろさ、完成度、操作性の観点で評価 |
ブロック崩しを採用した理由は以下になります。
・広く知れ渡っているゲーム
・ルールが単純なのでアレンジがしやすい
・プレイヤーの操作やベクトル計算、あたり判定などゲーム制作で実装するものが揃っている
また、制作のハードルが上がらないように、2~3日で作れるものと指定しました。
作品紹介
応募作品を簡単にですが、紹介したいと思います。1.BBRL
UE経験:業務なし制作時間:16時間
概要:フィールドにギミックを配置してクリアを目指すブロック崩し
アピールポイント:交換用のポイントを集めて、ギミックと交換してフィールドにおくところ
2.Block Break Pinball
UE経験:業務~1年制作時間:15時間
概要:ピンボールの要素をプラスしたブロック崩し
アピールポイント:ピンボール要素である、力をためて球を弾くことによって起こるリスクとチャンスのトレードオフ
3.Chaos Of The Block
UE経験:業務~1年制作時間:12時間
概要:UE5の機能であるChaosDestructionという物理破壊システムを使ったブロック崩し
アピールポイント:ブロックがバラバラに破壊される爽快感と破片が物理的にも視覚的にも邪魔をしてくるところ
4.Block Break Game
UE経験:業務なし制作時間:18時間
概要:上下移動型ブロック崩し
アピールポイント:下だけでなく上にも死亡する壁があるため、操作する機会が増えるところ
発表会
応募締め切り後、勉強会に参加している社員に発表会までの数日間、実際に作品を遊んでもらいました。発表会では、制作者が作品の紹介やアピールポイントを発表し、その後一番よかった作品にGoogleFormから投票してもらいました。
投票の結果、1位に選ばれたのはChaos Of The Blockでした。
結果発表後、ゲームの感想などをみんなで話し合い、終了となりました。
対談
コンテスト終了後、今回参加してくれた久保さんと、コンテストについて参加の経緯や苦労した点などを対談しました。こんにちは。ゲーム事業部の山崎です。現在業務でUnreal Engineを使用しています。
コンテストを主催し、Chaos Of The Blockを制作しました。
よろしくお願いします。
こんにちは。ゲーム事業部の久保です。Unreal Engineは自己学習しています。
コンテストでは、BBRLを制作しました。
よろしくお願いします。
それでは、早速ですがコンテストに参加しようと思った経緯を教えてください。
自己学習でUnreal Engineを勉強しながらゲームを作っていまして、 コンテストの募集を聞いたときには今作っているゲームに注力したいなというのもあり、 出せたら出そうかなというくらいの気持ちでした。
そうだったんですね。
そんな感じで提出4日前に自己学習のゲームを作っていたら、
こんなブロック崩しが作れたら面白いんじゃないかなとパッとアイデアが浮かんだんですよね。
これはUnreal Engineの学習にもなるので、チャレンジしてみようということで作り始めました。
なるほど。アイデアが浮かんで、作品として完成させたのは素晴らしいですね。
私はChaosDestructionの機能を使うことだけ決めてから作り始めました。
それでは、実際に作ってみてどうでした?
作品を作るのは日程的にもきついだろうなとは思ってましたが、実際にもきつかったですね。きつかった理由としては調べることが多かったということですね。
わからないことは調べるしかないですからね。
まずはブロック崩しの基本となる部分を作ろうと思って、ブロック崩し関連の記事をいっぱい読み漁り、こうやって作ればいいのかというのを知ってから基本的な部分を作りました。
ここまでは検索してすぐに記事がでてきたので順調でした。
Unreal Engineでブロック崩し関連の記事は結構ありますよね。
その後、オリジナル要素を実装する際にカメラまわりで苦労しました。
左半分をブロック崩し、右半分をショップ画面にしたいと考えたときに、Unreal Engineのカメラってデフォルトだと自動で生成されるので、これどうやって制御したらいいんだとかなり苦労しました。
確かに、カメラの制御難しいですよね。
Unityは、何もないところからカメラを置いて制御していくという流れですがUnreal Engineは、何もしなくてもカメラが作られるのでそこの違いは大きいと思いました。
Unityは何もないところから作りあげていく感覚ですが
Unreal Engineは既にあるものを改造していくという感覚ですね。
あとUIの部分も苦労しました。
ショップ画面を実装する際に、普通にコード書けば作れるだろうと思ってたのですがUMGで組むのどうすればいいんだってなりましたね。
UMGは慣れないと、どうやればいいんだってなってしまいますね。
ドラッグ&ドロップの実装を入れたいなと思っても、UMGでどうやるんだとなって
調べて組んでの繰り返しだったので大変でした。
苦労したのがよくわかりますね。今回の作品制作や普段の自己学習を通じて
Unity経験者がUnreal Engineを習得する際の進め方について何かアドバイスはありますか?
Unreal EngineにはBluePrintとC++と2種類実装方法がありますが、まずはBluePrintから始めたほうがよいと思います。
BluePrintを触ってみてUnreal Engineのお作法ってこんな感じなんだというのが理解できるからですね。
C++からだと難しいですか?
C++で最初からハードルを上げて制作すると難しいので途中で挫折してしまい、そこで終わってしまうんですよね。
BluePrintでまずは作ってみて、こんな感じでできるんだっていう感覚を掴むことでUnreal Engineに対する苦手意識が少なくなると思います。
そうですね。まずは触ってみることが大事だと思います。
それでは最後に、Unreal Engine勉強会でやってほしいことなどありますか?
今回、UMGに関しては触ってみて実際にやってみないと覚えられないと思ったのでもっと詳しく学習できる場や、 UMGのみでゲームをつくる場があってもいいなと思いました。
UMGのみでゲームをつくるのも面白そうですね。
参考にさせていただきます。
対談ありがとうございました!
ありがとうございました!
振り返り
・良かった点コンテストを通じてゲームを作るという目標を設定し
Unreal Engineを触って慣れる、機能を知るきっかけを得ることに繋がったので、当初の開催目的は達成できたと思います。
・反省点
対談で苦労したという話が出た際に、手助けできる環境があれば改善できたのではと思いました。
質問しあえる場を作成するなど、手助けしたり、切磋琢磨できる環境を作るようにしていきたいです。
おわりに
次回もテーマを変えてコンテストを開催予定ですので、開催後には紹介記事を執筆したいと思います。今後も引き続き、勉強会を有意義に運営するためにいろいろな施策をしていきたいと考えています。
現在アドグローブではゲームエンジニアを含め、さまざまなポジションで一緒に働く仲間を募集しています。
詳細については下記からご確認ください。みなさまからのご応募お待ちしております。