【iOSアプリ開発】サポートする最低OSバージョンについて

株式会社アドグローブ アプリ開発エンジニアの小澤です。
今回はiOSアプリ開発におけるOSバージョンについて執筆しました。

iOS開発でサポートする最低OSバージョンはどの範囲にする?

最近のOSシェアの推移

2022年9月13日にiOS16のリリース後、2023年1月時点のiOSシェア率はiOS15は89%と多くのユーザーが利用しています。
最新のiOSリリース後で4ヶ月くらいでiOS14が10%以下になるような推移です。


引用画像(2023年1月時点)

では、サポートする最低OSバージョンはどのあたりに決めたら良いでしょうか。
下記で、弊社での案件の傾向から検討してみます。

案件での傾向

案件により前後しますが、大概の案件では最新OSから2つ前まで補償の範囲となることが多いです。
その場合、Appleからの新OSが発表される前後で、サポートする最低OSバージョンを下記のように決めるのではないでしょうか。

2023年の秋のiOS17のリリース時期を例にすると

  • 新OSのリリース後の場合

    • 最新バージョンiOS17として、その2つ前のiOS15とする
  • 新OSのリリース前の場合

    • iOS16から2つ前のiOS14とする

では、このサポートする最低OSバージョンをiOS14にした場合
『iOS15への切り替え時期』はいつでしょうか?🤔

サポートする最低OSバージョンの切替え時期について

最新のiOS17がリリースされたタイミングで、iOS15に、突然引き上げてしまうとiOS14を利用しているユーザーは、次のアプリの更新タイミングで、iOS15になることを強いられます。その結果、ユーザーが、アプリから離脱してしまうこともあります。
アプリのユーザー数が売上と密接に関係している場合は、売上にも影響があるため、サポートする最低OSのバージョンのOSシェア率は重要な数値になります。そのため、案件では、iOS14を利用しているユーザーのシェアが 閾値X%から少なくなった場合に、サポートする最低OSバージョンをiOS15に変更することになるでしょう。

ところで、この切り替えの閾値X%ですが、事前に決めエンジニアもサポートするOSバージョンの切り替え時期を把握することによるメリットがあります。それは…

エンジニアのメリット

サポートする最低OSバージョンを切り替えるメリット

エンジニアにとって、サポートする最低OSバージョンが切替わると良い点があります。

  • 新機能による実装やライブラリ依存のコードの削減

    • OSバージョンが上がることでOSから提供されている標準部品を利用可能になることがあります。自前で作成していた機能、ライブラリのコードが不要になります。
  • リファクタリングによる機能修正ができる

    • アプリをリリース後、数年のアプリ開発を進めていく過程で、複数の人が携わり、機能も増減を繰り返し、読みづらく再利用が難しいコードが出てきます。そのようなコードは、実装者以外では理解が難しい傾向もあるため、テストが必要になり、開発サイクルの足枷となります。サポートOSの切替えのタイミングは一通り機能確認をするため、コード整理には良いのではないでしょうか。
  • エンジニアのモチベーションの向上

    • 読みづらく利用し辛いコードの改善ができ、今後の機能追加がしやすくなり、新機能も利用できるようになるため、エンジニアにとっては魅力的です。

切替え時期がわかると良い点

サポートする最低OSバージョンを切り替えるメリットで挙げた点について、特にリファクタリングが発生する場合は、進行中の開発を止めてしまうことにも繋がる恐れがあります。あらかじめ周知することで計画的にアプリの改善をしやすくなります。

まとめ

以上のことから、iOSアプリ開発において運営側とサポートする最低OSバージョンの切り替え基準を決め、エンジニアに事前周知しておくことは、アプリ開発をより良く進める手段の一つとなるのではないでしょうか。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。




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