エフェクト勉強会について~内容と学んだこと~

こんにちは。
株式会社アドグローブゲーム事業部デザイナーの坂本です。

本記事ではアドグローブゲーム事業部内で行っているUnityを使った『3Dエフェクト勉強会』で学んでいることを紹介しようと思います。


はじめに

本勉強会は、3Dエフェクターの需要の高まりから、主に若手2Dデザイナーをターゲットに
スキルアップや、ゆくゆくは3Dエフェクターへのジョブチェンジを目的に開催されています。


勉強会の内容

勉強会では以下2つのことを行っています。

1.書籍を通して学習し、インプットする
2.学習したことや既存ゲームのエフェクトなどを参考にエフェクト模写を行い、アウトプットする

勉強会の基本的な進め方は、週の終わりに専用slackチャンネルで一週間の進捗をチャット報告し、確認・フィードバックをもらう方式で進めています。
また、質問や疑問点が出てきた際はその都度チャットを通してやり取りをしています。チャットメインで進めているので他の参加者の質問や進捗が確認できたり、時間に縛られることが少ないというメリットがあります。

勉強会では、まずUnityゲームエフェクトマスターガイドという書籍を使って、Unityでの3Dエフェクト制作の基礎について1から学習します。用語など別途自分で調べたりすることはありますが、この書籍1つで基本的な3Dエフェクトの作り方を知ることができます。
書籍での学習を終えたら既存ゲームエフェクトなどの模写を行い、1からエフェクトを作っていきます。書籍で学んだことに加え、どんな要素が組み合わさりエフェクトができているか実践的に分解しながら制作を進めることになるので、学習したことが身につきやすいです。

▼書籍の紹介

gihyo.jp


勉強会で学んだこと

ここからは、これまで私が勉強会で学んだことを『斬撃エフェクト』の一部を作りながら紹介していきます。

斬撃エフェクト
今回は主に下の火の粉パーツを作りながら説明を行っていきます。
斬撃時に飛び散る火の粉

ポストプロセスの設定

まず初めにポストプロセスという画像処理を行っていきます。
ポストプロセスとはカメラのフィルターのようなもので、設定することでエフェクト自体に変化を加えなくても見た目が変化する機能になります。
今回は、画面を黒くぼかしエフェクトがオレンジ色に発光するように設定しています。

ポストプロセス適応前(左)と適応後(右)

パーティクルを作成する

ポストプロセスの設定が終わったら早速エフェクトを作っていきます。
まずパーティクル(粒子)を作成します。この粒子1つ1つに形や効果を付けていくことでエフェクトが出来上がります。

パーティクルを作成

Shurikenパーティクルを編集する

パーティクルを作成するとInspectorの欄に「Particle System」が表示され、設定を変更することで色や大きさ、発生時間など様々な効果がつけられるようになります。また、効果を組み合わせることで複雑な動きを表現することができます。
項目がたくさんあるため細かい説明は割愛させていただきますが、今回は外側に向かいながら速度と大きさが小さくなるように設定しました。

編集項目の画面
編集したパーティクル
これで火の粉の動きができ上がりました!

マテリアルを作成する

次にマテリアルを作成します。
マテリアルとはざっくりいうと質感を作る素材、箱のようなものです。そこにテクスチャを入れたり次に紹介するシェーダーを変えることで質感を表現することができます。
火の粉パーツにはNOVA Shaderというシェーダーを使用しています。

マテリアルを作成
先ほど編集したパーティクルに適応することでマテリアルに使用しているテクスチャをパーティクルに割り当てられるようになり見た目が変化しました。
これで火の粉パーツは完成です!

シェーダーグラフを用いてシェーダーを作成する

火の粉パーツは完成しましたが、最後にこの斬撃エフェクトのスラッシュパーツ等で使用しているシェーダーグラフを紹介しようと思います。
シェーダーグラフとはプログラムができなくてもノードベースでシェーダーが作れるUnityの機能になります。作成したシェーダーグラフはシェーダーとしてマテリアルに適応することで、その効果を反映できるようになります。
変化項目が視覚的にわかるため、デザイナーでも比較的扱いやすく感じました。今回はシェーダーグラフを使い、揺らめく炎の形を表現しています。

シェーダーグラフで作成した炎
今回作成したシェーダーグラフではそれぞれ下記の効果を作成しています。

  • 赤色 : コア(炎中心の黄色い部分)の大きさの作成
  • 紫色 : 炎の大まかな穴あきシルエットの作成
  • 青色 : 炎の横幅の調整
  • 緑色 : コアの範囲と発光の強さの調整
  • 黄色 : 炎の範囲と色の調整

今回作成したシェーダーグラフの詳細

▼NOVA Shaderについては下記を参照ください github.com github.com


さいごに

大まかにではありますが、3Dエフェクト勉強会とそこで学んだことを紹介させていただきました。
まだまだ使えていない機能があったりと勉強中の身ではありますが制作の数を重ねて、スキルを身に着けていきたいなと思います。
今後も、3Dエフェクトについて知識や技術力を上げていく過程で何か紹介できることがあれば紹介していきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!




アドグローブではゲームデザイナーを含め、さまざまなポジションで一緒に働く仲間を募集しています。
詳細については下記からご確認ください。みなさまからのご応募お待ちしております。

hrmos.co